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借地借家問題

敷金返還について

有料老人ホームに親が入居していましたが、死去のため解約退去しました。
電話連絡にて、40万円の修繕費請求がきました。高額なので、内訳内容・見積書を郵送するように要求しましたが、回答がありません。
入居一時金(居室料へ毎月1万円ずつ充当)=120万円と敷金・保証金=30万円の精算計算書も併せて請求しましたが、いずれも回答がありません。
入居期間=9年間 居室料(26㎡)=45,000円(近隣の賃貸住宅に比較し、標準以上です) 食費=45,000円 管理費=35,000円でした。
先方の主張では、有料老人ホームは、一般の賃貸住宅と違い「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などの制約を受けないため、これまでもクリーニング費用、修繕費費用は入居者負担としてきたし、今回も同様に請求したとのことです。こういうことが通るのでしょうか?
今後の対策を教えて下さい。
なお、先方の社会福祉法人は、顧問弁護士がいるとのことです。

ID:2643 投稿日:2014/06/03 20:34:21 投稿:健太

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回答数 1件

一般回答

通りすがり さん

通りすがりの者です。

一般的な方法としては、
①有料老人ホームとの契約内容・契約の説明内容を確認し、

②契約内容が消費者等に不利益な内容となってないか(消費者契約法違反・景品表示法違反・借地借家法違反)などを消費者センター・法テラス・専門の弁護士、行政書士・行政庁等に相談し、

③不当な場合には具体的な請求(内容証明郵便で消費者契約法違反と不当利得返還請求、民事調停・訴訟等)を求めていくことになるかと思います。

あるいは、有料老人ホームは老人福祉法29条の規律を受けるようなので、監督権限を有する都道府県知事に監督を求める等があるかもしれません(これはその業者がよっぽど悪質ではない限り監督を期待することは難しいように思えます。)

1 ①について

 有料老人ホームとの契約上の紛争ですので、まずはどのような契約内容となっていたのかを確認することになるかと思います。ただ、おそらくは契約書等はしっかりした業者は多いので、契約書をみて返還を求めることは難しいかもしれません。可能であれば、契約を締結する際に、入居一時金の取り扱い等について十分な説明義務が果たされていなかったこと(パンフレットと契約中の様子)などを思いだしてもらい書面に起こしてみてください。

2 ②について

 契約書及び契約締結過程の内容を整理して上で、消費者センターや法テラス、専門の弁護士・行政書士・行政に相談してみてください。契約内容が不当である場合には、当該箇所を消費者契約法違反等で無効とすることで返還請求を行うことが可能となる場合があります。

 私には本件事案の返還を拒否することが不当なのか、具体的に消費者契約法違反はわかりかねますので、具体的な資料をもって専門家にご相談されることをおすすめいたします。

 なお、有料老人ホームであっても、厚生労働省の通達「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」によれば、利用料等の取り扱いについて「イ 月払い方式の場合で、敷金を受領する場合には、その額は6か月分を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除き全額返還すること。なお、原状回復の費用負担については、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版) 」(平成23年8月国土交通省住宅局)を参考にすること。」としており、業者側の一般の賃貸住宅と違い「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」などの制約を受けないわけではないとの説明には違和感があります。


 確かにあくまでガイドラインなので業者がそのとおりにしなければならないわけではないですが、一般の賃貸借とは契約の種類は異なるといっても、消費者法上は借主側は一定の保護を受ける傾向にあるので、消費者契約法で契約内容の合意の一部を無効とすることで対応することが可能な気がします。
 東京都の事例ですが有料老人ホームであっても、消費者契約法で無効とする事例もあるようです
(http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/03/20n3r901.htm)ので、消費者問題関係の機関・専門家に相談することがよいかと思います。


 また、老人福祉法29条6項によれば「6  有料老人ホームの設置者は、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領する費用を除くほか、権利金その他の金品を受領してはならない。」としており、必要不可欠な金員以外を受け取ってはならないので、額が不当かどうかはわかりませんが、内訳内容・見積書を出してこないのは一般には不誠実な対応であると思われます。

3 ③について

 福祉問題・消費者問題を扱う弁護士・行政書士等の相談を利用し、内容証明郵便を送ることで対応を求めることができる場合があります。

 消費者センター・行政等は、様々な相談を蓄積しており同じ業者で同様の問題が発生している場合には、一定の対応を期待できる場合があります(ただ、一般的な解答のみにとどまることが多いので、自分の紛争を本格的に解決しようと思うと専門家に依頼することが多いかと思います。)

 訴訟による解決になってしまうかは、相手方の対応、返還で想定される額と経済的・時間的な負担を掛けて相談者として本格的に返還を求めたいかを勘案して決定していくことですので、専門家との相談で考えるしかないかもしれません。

 ご参考になれば幸いです。

ID:A20140604113914 投稿日:2014/06/04 11:39:14

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